今週のできごと:ビルのテナント看板で妄想する

新しいオフィスビルや建物を見ると、どんな会社が入っているのか気になる。この商業施設と一緒になっているオフィスビルだとランチ時に歩いてる入館証をぶら下げている方々は、どこで働いている人だろう?と思ったりする。街でも路上に入居オフィス一覧があると見て、なんの会社か調べたくなる。写真は、渋谷のI'm donut?ビル(系列店が連なってるのでそう呼んでいる)。バルコニーが素敵なビル。

BackroomsとObsession、YouTuber映画の話

先週も少し紹介した『Backrooms』の成功について。語られ方はで最も多いタイトルはこうだ”YouTuber is taking over Hollywood!(YouTubeがハリウッドを席巻!)”。確かにそう!だけど、以前からヒットホラー映画を生み出したクリエイターはいくつかいたのと、それぞれYouTubeに対してのスタンスは異なるので一括りにはできないとも思う。

オーストラリア出身の双子のフィリッポウ兄弟(YouTube)が作った『Bring Her Back』はどちらも日本で公開もされ、『Take to Me』はわずか450万ドルで製作され、あの『ミッドサマー』を上回る9,100万ドル超えの世界興収を上げている。どちらもヒットし、1作目の時点では30歳と若く注目されていた。今回の『Obsession』カリー・ベーカー監督26歳、『Backrooms』ケイン・パーソンズ監督20歳というさらに若いYouTuber世代が注目された。

別パターンだと、マークプライヤー(YouTube)というクリエイターは、日本でも有名なホラーゲーム『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』というゲーム実況から本格的に人気になり、スケッチコメディやミニドラマを制作。インディーゲームの『Iron Lung』の実況から、ゲーム原作者に接触し、映画化権を取得。映画については、賛否あったものの制作費 300万〜400万ドルで世界興収 5,100万ドル超となった。

個人的に分析するとしたらこういうイメージだ。

総じて、SNSやオーディエンスとのコミュニケーションが得意であり、あらゆる制作スキルがあるというところ、今の世代に刺さるテーマができているというところが強いと思う。ケイン・パーソンズに至っては、映像制作の前に音楽をやっていたため、映画の楽曲制作も行っている。

ホラーとコメディの抜け感

これも今年に始まったことではなく、A24を筆頭にインディホラーは近年、予算とのインパクトも含め話題だ。もし自分が仮に映画を作るとしたら今回の『Obsession』での学びは、”コメディの抜け感”。

去年超ヒットした『WEAPONS/ウェポンズ』にも共通するのが、ミーム化されやすさ。しかも、ネタバレせず、怖くない”おもしろそう”なシーンがソーシャル上でバズっていた。息抜きとしてのコメディリリーフとも言えるが、真似して動画を取りたくなるような要素がより強い。過去のニュースレターで「”ヒットテレビ番組”に必要な要素ってなんだ?」というテーマで書いたときも”ミーム力”と書いたがグローバルでヒットするコンテンツには重要な要素のひとつだと思う。

通称ウェポンズ走り(?)Mashable

『Obsession』のあらすじは、気になる女の子に好かれたくて、願いが叶う枝を使ったら愛されるを通り越して怖いくらいにObsession(執着)されるという話。

コメディアンでもある監督のカリー・ベーカーのは沢山あって、映画のリアクション動画ではホラー映画なのに笑っている人は多い。中でも、好きな女の子が何かに取り憑かれてるシーンで花瓶を持ちながら素早く横歩きするシーンはTikTokで真似する人が多数いた。

怖いんだけど面白いシーン

また、作中に出てくる願いを叶えてくれるという諸悪の根源「One Wish Willow」という柳の枝も実際に販売したりして、動画も作りやすい小道具も用意されてるのも面白い。A24的だなと思ったが、『Obsession』は制作は、Focus Features。世界観バッチリの特設サイトもあったけど、購入は、シンプルなFocus Featuresに飛ばされるよ。

インターネット美学の映画化

『backrooms』はケイン・パーソンズが映画化する前から匿名掲示板「4chan」に投稿から始まった。

”If you're not careful and you noclip out of reality, you'll end up in the Backrooms.
現実からNo-clipするとBackroomsに落ちる”
※noclip = 本来通れない壁や床をすり抜けるというゲーム用語

普通は群衆で混雑している空間が不自然に閑散している様子を描写するリミナルスペースはインターネット美学のひとつとして有名で、階層がある設定や敵キャラなどは掲示板を通して都市伝説であり、ファンフィクション的であり、集合知で生まれた。

しかし、ケイン・パーソンズは、Backroomsというビジュアルの設定にほぼ集中し、そこから世界観を拡張した。楽曲作りも脚本もできるパーソンズは、世界観作りが本当に得意だ。彼のYouTubeでは、Backroomsシリーズだけで22本動画があり、今回公開された映画は序章にすぎない。

ドリームコア

元々ネット上で人気になる”インターネット美学”としてBackroomsのリミナルスペース(寂しげな、非現実的に見える空っぽの空間や廃墟となった場所)やドリームコア(現実と夢が混ざり合ったような、不思議でどこか懐かしい世界観)は、懐かしさを秘めつつ大変不気味である。同時に映像になったときにリアルでリアルじゃない空間にぽつんと一人は、ゲーム的でかつ映像として美しい。これはSeveranceでも同様。Deadlineによると、観客の88%が35歳未満だったくらい若い層を中心にヒットしている。

ハリウッドのYouTuber世代の台頭というより、SNSでのフックの作り方、世代に刺さるビジュアルとコメディ要素という要因も大きいのではないかと思う。

気になる新刊

VCのLightspeedは、ショート動画でテックを解説するクリエイターでありClaire Zauであり、同社のパートナーと、CMOのJosh Machizと共に新しく番組を制作。クリエイターとVCメディアの両立はいいなあ…リリースと同時に他クリエイターにも同じセットで出演するというのも良い施策「Tech is Buying Podcasts. Lightspeed Hired the Creator.

イドリス・エルバのDJ、作業BGMにどうぞ

Random thoughts for myself.

今週はじめて神戸に行ってきた / 日本は業界が米国より分かれているから共通認識された”ステータス”を作るのが難しいのかも。会員制クラブのようなエクスクルーシブな体験は、業界が入り混じってる地域や国に刺さるのかもしれない / 夏がやってくる……ゾゾゾ

よければ感想やコメントぜひSNSかこのメール返信で教えてください:)

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